「原田さん、見てばっかりいないでちょっとは手伝ってくださいよ!」






「なんで俺がて手伝わなきゃいけねえんだ。てか、なんでお前そんなにイライラしてんだよ?」





イライラ?





確かにそうかもしれない。





あの日、刀を握って人を斬ったことが未だに胸に引っかかっていて、寝られない夜が続いていたから。





あの断末魔が聞こえてくる気がして。





「大丈夫かよ?」





原田さんが心配そうに覗き込んでくる。




顔が近くて思わずパッと引いてしまう。






「わ、わりいっ!」




原田さんは私から離れて、左手で顔を覆った。




その時背後から声がした。




「原田さん、ご飯どうぞ。」





にっこり笑ってご飯を差し出したのは沖田さん。





代わりによそってくれたみたいで。




「ありがとうございます。」





一緒に買い物に行って以来、急速に関係が良くなった気がする。





こうして私を支えてくれる些細な気遣いも嬉しくて仕方ない。





「いいんだよ。いつも頑張ってくれているから、俺も手伝わないとね。」





沖田さんの言葉にまた胸がキュンと締め付けられる。





「頑張りますっ!」





思わず語尾が高くなる。





沖田さんが笑うと私も嬉しい。