「見学だけでも来てみなよ。」




「…わかりました。」





あまり気は進まないけど。





剣術を鍛えるってことは、私も戦に出ることになるかもしれないってことだよね。





握っていた手をそっと開く。




またこの手で人を殺す。





・・・私には出来ない。





沖田さんには申し訳ないけれどこの話には乗らないことにした。






そうこう話しているうちに、屯所のところまで帰ってきた。





「沖田さん、今日はありがとうございました。」





「色々あったけど、俺も楽しかったよ。いい息抜きになった。」





にっこりと微笑んで私たちは別れた。






この日が本当の始まりだったのかもしれない。




このとき剣を抜かなかったら?




あの男の子と関わらなかったら?





何度も、そう思った。