さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―





今日は運良く快晴。




透き通った青空の下、2人でにぎやかな町を歩く。




「沖田さん見てみて!これ可愛い!」



私は小さな骨董品売り場で足を止めた。




町は予想以上に活気がある。




木造建ての本格的なお店や、御座の上に商品を並べただけのお店や、上からしたまでぴんきりだったけれど。




「あずによく似合いそうだよ。」




沖田さんの言葉に頬がほころぶ。




色々な色の小さな花と、ビーズが組み合わさって出来ているかんざしを見ながらうっとりする。




現代にもこういうアクセサリーがあればいいのにな。




「これくださいっ!」




思い切って店員さんに威勢良く声を掛ける。




「あい。4両でい。」




キンさんにもらった鞄から財布を取り出してお金を払おうとする。




しまった!




そうだ、この時代とはお金が違うんだ。




私が持っていたお金は千円札や百円玉ばかりで、この時代に使えるお金はない。




どうしよう・・・。




残念だけどこのかんざしは買えない。




「ごめんなさい、やっぱりこれ・・・」




「はい。これで確かだよね?」




かんざしを戻そうとしたとき後ろから手がのびてきた。




「毎度!」




店員さんは満足そうに私にかんざしを渡してきた。




「沖田さん、いいんですか?」