今日は運良く快晴。
透き通った青空の下、2人でにぎやかな町を歩く。
「沖田さん見てみて!これ可愛い!」
私は小さな骨董品売り場で足を止めた。
町は予想以上に活気がある。
木造建ての本格的なお店や、御座の上に商品を並べただけのお店や、上からしたまでぴんきりだったけれど。
「あずによく似合いそうだよ。」
沖田さんの言葉に頬がほころぶ。
色々な色の小さな花と、ビーズが組み合わさって出来ているかんざしを見ながらうっとりする。
現代にもこういうアクセサリーがあればいいのにな。
「これくださいっ!」
思い切って店員さんに威勢良く声を掛ける。
「あい。4両でい。」
キンさんにもらった鞄から財布を取り出してお金を払おうとする。
しまった!
そうだ、この時代とはお金が違うんだ。
私が持っていたお金は千円札や百円玉ばかりで、この時代に使えるお金はない。
どうしよう・・・。
残念だけどこのかんざしは買えない。
「ごめんなさい、やっぱりこれ・・・」
「はい。これで確かだよね?」
かんざしを戻そうとしたとき後ろから手がのびてきた。
「毎度!」
店員さんは満足そうに私にかんざしを渡してきた。
「沖田さん、いいんですか?」

