さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



「キンさん人気者ですね。」




「いやぁ、そんなんじゃないさ。特に幹部の連中にはなあ。」




幹部の人には?




キンさんの言葉が理解出来なかった。




「あっ。」





丁度その時、曲がり角のところで藤堂さんに出くわした。




「藤堂さん、こんにちは。」




私が挨拶すると、藤堂さんは「うっす。」と返してくれた。




・・・けれど、私から視線をそらすと、藤堂さんは一瞬にして硬直した。




「久しぶり、平助。」




みるみる藤堂さんの顔が青く染まっていく。




まるで、この薄暗い青い空のように。