さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



キンさんは本当に誰にでも愛されるみたいで。




調理場に行くまで、他にも何人もの若い隊士さんが集ってきた。




「キンさん、会いたかったっすよ。」



「キンさん、今度はずっといてくれるんすか?」




こんな声が、ひっきりなしに聞こえる。




嫌でもキンさんが羨ましいな、と思ってしまう。




私は2ヶ月ここにいても未だに隊士さんとは打ち解けられないままなのに。




でも、それがキンさんなんだろう。




どんなひとでも惹き付ける。




私もたった数分でキンさんの魅力にはまってしまったみたい。