さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―




「うわぁ、本当に姐さんじゃないっすか。久しぶりっすね。」




向こうから嬉しそうに駆けてきたのは、隊士さんたち二人組。




残念ながら、顔と名前が一致しない。




「最近来てくんなかったから、俺寂しくて。」




「お前、ずっと姐さん姐さん言っていたもんな。」




二十代手前の若い二人組は頬を赤らめてキンさんを見ていた。




んんん?




これは、もしや本気な方なのでは?




密かな疑問が生まれる。




「悪かったね。アタシも忙しかったのさ。」




キンさんはそんな二人にも、私に対するものと変わらない気さくな態度で接している。