さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―



「また怒られてるんですか?」





声のする方に振り向くと沖田さんが立っていた。





今日も沖田さんは綺麗。






思わず見とれてしまう。





「原田さん、また芹沢さんが問題行動を起こしたそうですよ。」






なにやら沖田さんと原田さんが話し始めた。



「あ?今度は何したんだ?」






「なんでも道を通さなかった力士達と乱闘になったみたいで。死傷者もでたそうです。」




「…ったく、あの人はどうも好かねえ。」



芹沢さん?



私が頭にクエスチョンマークを浮かべていると、沖田さんがそっと教えてくれた。



「芹沢さんは八木邸に住んでいる筆頭局長だよ。」




八木邸。



私たちが住んでいる前川邸の横に建っていて、どうしてか近寄りがたかった場所。