「覚えてないのか…?」


「何が?」


本当に覚えていないみたいだ。


「さっき、俺の血を吸おうと襲ったんだよ…」


「ッ!!」


驚いたように、柊の体が動いた。

「ごっ、ごめんなさい…。だから、吸血鬼はいやなの!!」


吸血鬼になってしまったのに嫌がっている様子に見える。


「これだから、好きだと思っても一緒になれない!」


柊は、悔しい反面、悲しく自分の体に傷をつけ始めた。


「ッ!!」


俺は、怖い思いながら、柊の方へ行った。