目の見えない吸血鬼との求婚

「吉鷹さん…?」


正気に戻った柊は、俺の名を呼んだ。そのまま、側に落ちていた白いお面をつける。


「吉鷹さん、何でそんなに汗を?」


気づくと、言われた通りに、俺の体がびしょ濡れに濡れていた。


怖い思いが強いせいで、汗が出てきたのだろう。


「震えている?」


柊は何をしたか覚えていないかのように、いつも通りの調子の口調だ。

俺は、震えた声で聞いた。