目の見えない吸血鬼との求婚

俺は沈黙の中、泣き続けている柊を見る。


柊は泣きながら、粒を流しながらお面を少しずらしながら袖で拭いていた。


そう言えばと思う。俺は一度も柊の真の顔を見たことはない。


柊舞古都だ。一年の柊舞古都と同じ顔だろうか。


俺は、気づかれないようにそっとお面に手を伸ばした。


気配に気づいた柊は、とっさにずれたお面を自分の顔につけ直す。