朝起きると、隣に柊が寝ていた。いつ帰ってきたんだ?


今日は土曜日であり、学園は休みだ。


母親の件で頭から離れられない。一日でも早く解決しなければと焦っていた。


いつ一般の吸血鬼になるかは時間の問題にある。

仮に事件を解決しても、もとに戻るということはない。

巻き込まれた母親を見ると、怒りが上昇する。


なぜ怒り出すのかも、自分でも分からなかった。


ベッドから起き上がり、捲れたかけ毛布を柊の体に被せる。


起こさないように、静かに下のリビングに行った。


「ん?」


俺はふと足を止めた。明かりがついている部屋を見つけた。


覗き込むと、カーテンは閉めたままになり、誰もいない部屋に、寂しく明かりだけがついていた。


「いないのかよ…」