目の見えない吸血鬼との求婚

「俺だって負けないよ!何しろ、吉鷹遊治の息子だからね」


二人で笑い合う。


父親は笑顔を向けて、一人を残して寝室から出ていった。


俺は父親が出ていった瞬間、楽しみが消えたように、不安になった。

母親まで、吸血鬼になってしまったのだ。


いつから、吸血鬼になったのだろうか。聞きそびれてしまったことに気づく。


実の所は吸血鬼のことは、父親は知らない。


言わないほうがいいだろう。


俺は、不安を胸にしまい、寝室から出た。


そう言えば、柊は帰ってきたのだろうか。


一階に続く階段を途中まで降りる。


隙間から見えるリビングから、だれでもいいからと、とにかくいる人に言った。


「柊帰ってきた?」


俺の質問に母親が答えた。


「いえ、まだよ。遊兎と一緒かと思ったけど」


俺は再び不安になり、父親の方へ見てしまう。


やはり、吸血鬼のことだ。柊もこの事件に関わっているのか。余計に不安になる。


しかし、吸血鬼の事件は柊から聞いた。言った本人が犯人だとは限らない。


きっと、友達と遊んでいるんだろう。


俺は思った。誰かのために解決するのではなく、この世界のために解決すると。


そして、まだ平和と呼べない世界を、平和にしよう。


それが、探偵の一つかもしれない。


俺は、探偵とはどういうものかと確認し、新たに再決意をしたのだった。