靴に履き替え、学校を出た。

早くこの知らせを父親に相談したかった。


事件を知っている父親に聞けば、それ以上の情報が手に入るかもしれない。


早足で家に着くと、いつもならすぐに部屋に向かうが、今日は違う。


「父さん」


テレビを見ている父親は、ゆっくりと首だけ俺の方へ向けた。


「どうした?」


父親は、俺の目から真剣なものだと読み取ったのか、ソファーから立ち上がった。

「話がある」

「場所を変えよう」


そう言うと、ついてこいと手で示すと、二階に上がってしまった。

急いで後を追う。


両親の寝室に入る父親の後ろで俺も入った。


「ベッドに座りなさい」


言われた通りに、父親の横に腰を下ろした。


黒のカーテンで締められた部屋には、明るい光が二人を照らす。


「話はなんだ?」


低めな声が、耳に入る。


俺は、父親の目を見ながら、今日起きたことを話した。