目の見えない吸血鬼との求婚



四つ折りにしておいたルーズリーフに細かく書き込んだ。

書き込んでいると、俺の名前を呼びながら柊が来た。

「書いているところ、悪いんだけど、先輩が呼んでいるよ」

書く手を止め、ドアを見ると、二年の柊舞古都が見ていた。

学校にいてもベタベタとついてくるのか。

俺は、聞こえない小ささで吐息を漏らした。

ゆっくり立ち上がり、紙を四つ折りにすると、シャツのポケットにしまった。