「うん」


複雑だ。吸血鬼はどこまで鼻が良いのか。まさに、犬に等しいと思ってしまう。


立ち止まったまま互いに口を閉ざし、沈黙が続いた。


俺はこのままだと夜になってしまうと思った。柊と手を繋いでる手を引っ張り出し、家に向かう。


再び二人で、夕日の下を歩く。


言葉を交わすことなく、自分たちの家に帰ったのだった。