俺は言葉を失った。どう反応したらいいのか。完全に思考が停止してしまった。


「人それぞれの血の匂いは違うからすぐに分かる。だから、吉鷹さんの血の匂いで、何処にいるのかも一発で分かるから…」


「それって、人間で言えば…、血液型によって違うってこと!?」


恐怖で上手く言葉が出てこない。

「分かりやすく言えば、そうなる…」


「でも、血液型によっても同じ血液型の人も沢山要るわけだし、難しいんじゃ…」


柊はそうでもないと、首を振った。


「同じ血液型でも、多少の香りが違うのよ」


「じゃあ、仮に二億人の人口なら、二億人の一人一人の香りが違うってこと!?」