俺は立ち止まった。繋いでいる柊も動きを止める。


「じゃあ、どうして俺の居場所が分かるの?」


信じられない。目が見えていないのか?いや、冗談だろう。日頃から普通に道を歩けたり、食事もきちんと出来ている。


それなのに、目が見えていないなんて、信じられなかった。


「それは…」


握っている柊の手に力がこもる。

今までに聞いたことのない低い声が、柊の口から発せられた。


「目が見えなくても、人間の血の匂いで分かるの。だから、何処にいるのかもすぐに分かる」


「な…ッッ!?」