日曜日はぽかぽか陽気の上天気だった。
空は絵の具で隅々まで塗りたくったような青空で、厚めのコートだと汗ばむくらい。重い荷物を運ぶことを考えて、薄いパーカーを選んだ。もちろんパンツルックで運動靴。ちょっとだけ、ピクニックっぽいかな。
「なんだあ、こういうことだったのね」
駅を降りて、15分ほど。渡されたメモの通りに歩いて辿り着くと、私の第一声はこれだった。
「うん、まあね。騙し打ちみたくなって、ゴメン。でも本当に助かったよ」
アーケード付き商店街の一角にある食品雑貨店。その奥から出てきたのは店名の入ったエプロンをした牧田くんだった。どこかの運送会社に似てる赤と白のしましま柄なんだけど、軽めのデザインがが彼にとっても似合ってる。
「森永さんにリストアップして貰ったもの、揃えてみた。中の方で確認して?」
ああ、この人ってこんな表情をしたりするんだな。鼻の頭が少し赤くなった照れ笑いを眺めながら、何とも不思議な気がした。
支えの鉄筋とかかなり年季が入ってるアーケード街は、せっかくのお天気空を遮って何だかもったいない感じ。見上げてみると、ところどころ錆が浮かんでいたりするしね。ずらりと並んだ店舗は全部で3、40軒と言うところかな?
何十年も前から変わらない感じの造りの店先がほとんどで、目の前は薬局。ちゃんちゃんこを着たゾウの人形が2体、埃をかぶってる。シャッターが降りたままの店舗もチラチラ見える。
「何か親父が、バレンタインの商品を仕入れ過ぎちゃったってぼやいていたからさ。どうにかならないかとずっと考えてたんだ。まさか、学校で女子たちに売り歩くわけにもいかないしなあ……」
陳列棚とかは古めかしいけど、ここのお店はほとんどコンビニと変わらない品揃えだった。へええ、意外。牧田くんの家って、お店やさんだったんだな。
配達に出ているっていうお父さんは不在だったけど、綺麗な女の人がお店番をしていた。てっきり牧田くんのお姉さんかと思ったら、お母さんだと教えられてびっくり。えー、ウチの母親と同世代には絶対に見えない。
空は絵の具で隅々まで塗りたくったような青空で、厚めのコートだと汗ばむくらい。重い荷物を運ぶことを考えて、薄いパーカーを選んだ。もちろんパンツルックで運動靴。ちょっとだけ、ピクニックっぽいかな。
「なんだあ、こういうことだったのね」
駅を降りて、15分ほど。渡されたメモの通りに歩いて辿り着くと、私の第一声はこれだった。
「うん、まあね。騙し打ちみたくなって、ゴメン。でも本当に助かったよ」
アーケード付き商店街の一角にある食品雑貨店。その奥から出てきたのは店名の入ったエプロンをした牧田くんだった。どこかの運送会社に似てる赤と白のしましま柄なんだけど、軽めのデザインがが彼にとっても似合ってる。
「森永さんにリストアップして貰ったもの、揃えてみた。中の方で確認して?」
ああ、この人ってこんな表情をしたりするんだな。鼻の頭が少し赤くなった照れ笑いを眺めながら、何とも不思議な気がした。
支えの鉄筋とかかなり年季が入ってるアーケード街は、せっかくのお天気空を遮って何だかもったいない感じ。見上げてみると、ところどころ錆が浮かんでいたりするしね。ずらりと並んだ店舗は全部で3、40軒と言うところかな?
何十年も前から変わらない感じの造りの店先がほとんどで、目の前は薬局。ちゃんちゃんこを着たゾウの人形が2体、埃をかぶってる。シャッターが降りたままの店舗もチラチラ見える。
「何か親父が、バレンタインの商品を仕入れ過ぎちゃったってぼやいていたからさ。どうにかならないかとずっと考えてたんだ。まさか、学校で女子たちに売り歩くわけにもいかないしなあ……」
陳列棚とかは古めかしいけど、ここのお店はほとんどコンビニと変わらない品揃えだった。へええ、意外。牧田くんの家って、お店やさんだったんだな。
配達に出ているっていうお父さんは不在だったけど、綺麗な女の人がお店番をしていた。てっきり牧田くんのお姉さんかと思ったら、お母さんだと教えられてびっくり。えー、ウチの母親と同世代には絶対に見えない。
