正毅は駆け寄るなり私の腕を引っ張る。

よく見ると恭平も居た。
その他には龍二と優人。

いつもは正毅と龍二と優人と私四人で居た。

それが楽だった。

龍二は私の事を姫と呼んでいた。

「姫、今日も可愛いね。その細い白い脚がたまんねえ」

私は「どーも」とだけ答えて恭平の前で足を止めた。

「久しぶり」

恭平は何もなかったように話し掛けてきた。

「久しぶり、この間はありがとう。学ラン返すよ」

私は学ランを返してそのまま職員室に向かった。

職員室に入ると担任が嫌そうな顔で近寄ってきた。

「なんだ、来たのか」

そんな担任をシカトしてスタスタ歩いて校長の前に立った。

「ねぇ先生、私の教科書来年もいらないから。
後、私のロッカーの鍵頂戴。上履きと制服取るから」

私のロッカーの鍵は校長が管理していた。
特別室にあるから。

校長は私に鍵を渡してまた書類に目を向けた。

私は職員室から出て着替えをする為に特別室に向かった。

特別室に入り私はロッカーを開けた。

中には制服と上履きしか入っていない。
制服を手に取り着替えようと上を脱いだ時に正毅達が入ってきた。

私は隠そうともせずに着替えを続ける。

「ごめん」とだけ行って出ていこうとする正毅達に私は「いいよ別に居ても」
とだけ言った。

「じゃあ遠慮なく」と言って椅子に座り始めた。