「よかった…」 翔の前に立った私に向かって翔はそう言った。 翔は桜にもたれるように地面に座っていた。 私は翔の顔をまともに見れず、俯いたまま問う。 「怒ってないの?」 「何で?」 本当に分からないとでも言いたげな声に驚いてつい口調が荒くなる。 「私は翔に最低なこと言ったんだよ?」 「それが?」 「『それが?』って、あんた………」