私はたまらず駆け出していた。 ある場所に向かって。 彼と私だけの二人の秘密の場所。 彼と初めて出逢って、いつも会っていたあの場所。 いつもみたいにベンチに横になって、きっと、私には到底読む気になれない分厚い小説を読んでるんだ。 そう信じて廊下を走り抜けた。