翔の身体をもう一度よく見る。 やっぱり向こう側の枝が透けて見える。 やっぱり、現実なんだ………。 そう実感したら、涙が込み上げてきた。 けど、泣かなかった。 一番悲しいのは、きっと隣にいる翔だから。 私なんかが泣いちゃいけないと思ったから………。