今すぐにでも、追いかけたいのに…。 立ち尽くしているあたしに、山川くんが後ろから声をかけた。 「西田、知り合いなの?」 「え?」 思わず振り向くと、いつにない真面目な顔で、山川くんはあたしを見てた。 「な、何で?」 「だって、あいつの事、下の名前で呼んでただろ?」 しまった!! つい、昔のクセで呼んじゃったんだ。