「あれ?矢吹」 ア然としている佑真を見て、あたしはかなり焦った。 別にもう、恋人同士じゃない。 なのに、何でこんなに後ろめたいんだろ。 「あ、佑真。どうしたの!?」 慌てて駆け寄ると、佑真は山川くんをチラッと見た。 「いや、何でもないんだ。ごめん。邪魔しちゃったな」 「あ…」 そう言って立ち去る後ろ姿を見ると、“待って”って言いたくなる。