仕事の完成は、余裕で深夜を過ぎていて、二人は無精髭が生えている。 「ああ、そうする。顔でも洗うか?山川」 「そうだな。とにかく、ネクタイはずそ」 二人はネクタイを緩めながら、あくび混じりに部屋を出て行こうとした。 「あっ、待って山川くん」 「ん?」 「あの…、本当にありがとう!」 思い切り頭を下げる。 「おい、おい。止めてくれよ。何で、西田が頭を下げるんだ?」 「だって、山川くんのお陰で救われたから」