「まあ、お前たちは成人した大人だし、独身なわけだから、大した問題じゃないんだけど」 カタカタカタと、パソコンを打ちながら、支社長がチラッとあたしを見る。 「とにかく、お前たちじゃないと仕事はしないと言うから。オレはな、仕事さえしてくれればいいんだ」 邪魔だと言わんばかりに、手で払う仕草をした。 「分かりました…。頑張ります」 ゆっくり歩きながら戻っていると、来客応対をする山川くんに目が行く。 ちょうど、応接室に入る所で、あたしに気付いた彼は、得意げな笑みを向けたのだった。