「山川くん…」 いまさらだけど、彼の愛情の深さを知って、泣きたくなる。 こんなに、あたしを好きでいてくれるのに、どうして応えられなかったんだろう…。 何で、あたしはいつまでも、佑真を忘れられなかったんだろう…。 「でも、ちゃんと忘れるから。だからせめて、今まで通り、普通に接して欲しいんだ」 「うん…。もちろんだよ。ありがとう、山川くん」 「支社長にさ、もう一度お願いする。矢吹と三人で、最後まで仕事をしような?」 そう言うと、あたしにいつもの優しい笑顔を向けた。