「山川くん…」 「やっぱりここだった」 昼間の険しい表情とは違って、いつもの優しい笑顔が戻ってる。 「何となく、ここかなって思ったんだけど、当たったな」 「凄いよ…」 あ…、罪悪感で、まともに顔が見られない。 いたたまれず、顔をそらしたあたしの側へ、山川くんはゆっくりやって来た。 そして、隣で冊に手をかけると、真っすぐ夕陽に向いながら言ったのだった。 「西田、今まで通り普通でいような」 って…。