「今日から、この部署に配属されてきた矢吹(やぶき)くんだ」 部長は、まだ姿の見えない「彼」より先に、そう自己紹介した。 ん…? 矢吹? 佑真と同じ名字じゃん。 ただ、それだけなのに、あたしはドキドキしながら、ドアをじっと見つめる。 佑真と同じ名前の人…。 少し緊張してきたあたしは、その瞬間、夢でも見てるのかと思っちゃった。 だって…、 だって、そこには…。