初めは、それが何か分からなかった。 なぜなら、ホワイトボードの後ろには、部屋を照らすだけの陽が差し込む、大きな窓があるから。 そこから西日が差し込んで、ちゃんと見えなかった。 それに気付いてか、上司はさっさとブラインドを閉じる。 その時、目に飛び込んできた物に、あたしたちは固まった。 「何…これ…」 それは、パソコンで打ったであろう文字で、大小バラバラ。 フォントもバラバラの文字で、紙いっぱいに書かれていた。 “矢吹佑真と、西田陽菜は毎晩、肉体関係を持っている”