好きな人と重なり合う事が、こんなにも幸せだなんて。 全然知らなかったよ…。 だけど、忘れちゃいけない。 この幸せは、どこまでも身勝手なものだって事を…。 「陽菜…、誕生日どうする?」 「え?」 まだ少し乱れたままの呼吸で、佑真はあたしに聞いてきた。 二人、ベッドの中で寄り添いながら…。 「山川くんに…誘われちゃった」 まだウツロなままのあたしは、佑真の胸に顔を埋めて答える。