手を引っ張られ、車に乗せられる。 「今日は夜じゃないし、雨も降ってないから、キスは出来ないな」 そう言って、小さく笑う山川くんに、あたしは愛想笑いをした。 こんな風に、優しくされればされるほど、自分のした事の重さがのしかかる。 「帰ったら、ちゃんと休めよ?」 「うん…。そうするね」 どこまでも自分勝手なあたしは、本当の事を打ち明けた時の、山川くんの反応が怖いと思ってるんだ。 この笑顔が凍りつく…。 それを想像しただけで、胸が締め付けられるから…。