「誰かは分からないけど、西田からそいつを忘れさせたい」 「山川くん…」 山川くんは、右手だけハンドルを持ったまま、あたしに近付いてきて、そのままキスをした。 「山…川くん…」 息が出来なくなるくらい、キスは力強い。 「ここの信号、長いから…」 山川くんの言葉に、あたしは目を閉じる。 何度も重なる唇と、感じる吐息に、初めて忘れられた。 佑真の事を…。