「誰か、忘れられない人がいる?」 鋭い突っ込みに、言葉が濁る。 「それは、その…」 佑真の事を話そうか…。 でも、そうしたら、仕事に影響が出てくるんじゃないかな。 少しの間だけなんだから、言わない方がいいかも…。 そんな事を考えていると、山川くんは突然ワイパーを止めた。 すると、あっという間に視界は悪くなる。 「忘れさせたい…」