「情けないだろ?西田といても、時々、お前が違う方向を見てる気がして、不安だったんだ」 「あ…」 それは、佑真を考えてたから。 あたし、山川くんを不安にさせてた? 「ごめんね。そんな風に思ってたなんて…」 ワイパーが高速で動いても、すぐにフロントガラスは雫で覆われる。 雨の音も、音楽も、あたしの耳には入ってこなかった。 聞こえるのは、山川くんの声だけ…。