あの時のお父さんの笑顔は怖くて今でも忘れられない。

…結局、2人は離婚した。

お父さんは私を連れて行きたがったけど、
「暴力されては困る」と言って、お母さんが私を連れて行った。

「暴力されては困る」そう言ったのに…

しばらくしてお母さんは私に暴力を振るい始めた。

今までお父さんから受けた事を返すかのように… 
そしていつもこう言う。

「あんたなんか生まなきゃ…お父さんは私を好きで居てくれた…離婚もせずに済んだ…」

それがずっと続いて…
私が今、家を出たのもそれが原因だった。
*


ポツ ポツ ポツ…

「雨だ…天気予報、外れた。」

なんか雨って気持ちいいなぁ…

あれ、今何時だろ…
お気に入りの腕時計、置いてきちゃった…

ケータイを開いてみる
今になってGPSが付いてなくて良かった…と安心する

23:00

あれっ、もうこんな時間…

いつもならリビングでドラマを見ながらメールしてたな。
でも今日はメール来てないな…


…なんだか意識が遠くなってきた。

目を瞑る。

このまま…私なんか居なくなっちゃえばいいのに…