俺様男子

 は、男勝りな私が負けるわけないじゃん。




 優のことだからまた可愛い子に好かれてるんだろうな。




 細くて美人で可愛くて…私と真逆の人。





 そう思うと、なぜか胸の奥がチクンッとした。




 走っても走っても胸の奥のトゲトゲが消えない。









「痛い…」

「……何がだよ」



 後ろから声が聞こえた。




「…優……」

「優ですけど」

「なんでいるの…」

「お前が急に出てくから心ッ……」

「しん?」

「し、ししし死ぬほど腹いてぇのかと思って追いかけてきたんだよ!!」




 優も走ってきたからなのか、顔が赤くなぜか焦ってる。




「お腹痛くないし」

「そ、そうか……」




 変な優を見てたらさっきまでの怒りとトゲトゲは消えてた。