「そうですか……」 少し悲しそうな顔をした北川は、話を続けた。 「でも! 私でよかったら利用してくださいね」 何を考えているかつかめない北川。 俺でさえ、恐怖心が出てくる。 自分でいうものもなんだけど…俺は恐いもの知らずで、嫌いなものと言ったら莉子を好きな奴だけだ。 塁は除くが。 「…あ、あぁ……」 出来るだけ早くこの教室から出て行きたかった。 軽く返事をして鞄を持ち教室のドアに向かう。 「またね」 「おー……」 目を細めながら俺に手を軽く振った。