俺様男子

「はい遅い。だいぶロスした」



 優が逆ナンされてる方がよっぽどロスだわ。






 何事もなかったかのように、私の前を手ぶらで歩く優。





「ねー」

「…」

「ねーってば!! 耳ないわけ!?」

「んだよ。どうせ荷物持てとかだろ? お前が持て」





 誰の荷物だよ…本当に。




 お店を出て、行き慣れた並木道を通る。




 桜が綺麗。





 ちょっと見惚れていると足元に何かが引っ掛かった。




「いッ…」



 段があるのに気付かず、つまずいた。





「せ、セーフ……」


 だと思うけど、完ッッッ全に足首した90度に曲がってる。





「痛かったのはこれか…」



 それほど痛みもなかったからそのまま優を追いかける。