俺様男子

「あ、そろそろチャイムなっちゃうよ!!」

「…ん? …あ、あぁ」



 少し急ぎめに教室に向かう。




 塁はいつも来るのが早く、俺らが入った時にはすでに女子の渦の中。




「あ、優様!! おはようございます♪」



 最近やたら近づいてくるこの女。




 名前さえしらねぇ。





 つか覚える気がない。




「ん、はよ」


 一応俺も人間だし、挨拶されて返さないのはちょっとアレだし、返すは返す。



「あ、北川さん! おはよ~」




 こいつは全く空気を読まないのか…。




 へらへらと笑って俺と北川という女の隙間に割り込んで挨拶。




 俺的にどうでもいいが。





 有難いことに向こうも少し鈍感なのか、笑って莉子に挨拶を返す。