*次の日*


「優ー、おはよ♪」

「やっべ…莉子が電車に乗る時間とか遅刻決定か!?」

「何よー。今日はちゃんと起きたの!!」



 ぷくっとほっぺを膨らました莉子は俺の横に立った。




「マジかよ。雪降るんじゃねぇの…」

「今、夏だし―」

「じゃあ隕石だな」



 酷いなーと笑う莉子は昨日のことは気にしていない様子。




「優の通学時間、こんなに毎日満員なの?」

「あぁ。すげぇだろ…」




 ぎゅうぎゅうと人が迫ってくる。




「莉子の体積がデカいからもっとせまくなるんだよ」

「なんですって~?」

「ちびデブって言ってんの」

「ちびは否定しないけど…デブじゃないもん!!」



 思ってもないことを言ってみたりする。


 むしろもう少し太ってもいいと思う。




「うわッ」



 電車が駅で止まった拍子に重心も持っていかれる莉子を支える。


「あぶねぇな~…ほら、捕まっとけ」




 莉子の手を掴んで俺の腕を掴ませる。




 人増えてきたな……。