*優side*



「なぁ…塁」

「ん?」



 莉子と別れて俺と塁は俺の部屋に入った。




 塁とはもう親友みたいなものになってる。




 男友達で一番に出てくるのは塁だ。





「莉子のこと好きか?」

「好きだよ?」

「恋愛的な意味で」

「好きだよ」




 平然とした顔でそう答えた塁。



「優も好きなんでしょ?」

「…」

「隠さなくても分かりやすいし…バレバレだよ」

「マジか」




 塁は少しだけ悲しそうな顔をして言った。




「優も大事だけど…莉子ちゃんは渡せないよ」

「ん」

「最終的に選ぶのは莉子ちゃんだけどね」



 莉子が選ぶ方は決まってるんだ。





 ひねくれてる俺なんかより、優しくて気の利く塁を選ぶ。