「そう?」

「そうそう!! 帰り、アイスでも食べて帰ろうよ!!」

「そうだね~。今日、少し蒸し暑いし」



 納得したのか、ニコッと笑った塁君。




 鞄を受け取って保健室から出た。




「何味にする―?」


 塁君とアイスの話しで盛り上がった。




 私たちの少し後ろを歩く優はちょっと不機嫌らしい。




 なんかやらかしたっけ…?




 ……あ。




「優! もしかして鼻水つけたことで怒ってる?」

「…ちげぇし」

「嘘! そうなんでしょ~? 謝るから!! 機嫌直してよ~」

「機嫌悪くねぇし」



 そんな不機嫌な顔で言われても全く説得力がない。




「莉子ちゃん、優なんか放って行こうよ」

「そうだねっ!!」



 アイス屋さんに着いてから塁君とはしゃぎながら注文した。



「優は食べないの?」

「甘いの好きじゃねぇの知ってるだろ…」

「ミントとかなら甘くないでしょ?」

「あんなのハミガキ粉の味じゃん」




 あー…今、世界中のミント好きを敵にまわしたな。