俺様男子

「何があったの?」



 悲しそうな顔をした塁君は私に聞いた。



「んー…よくわかんないけど。この学校の裏掲示板での悪口くらいだよ」

「それは『くらい』なの?」

「うん」



 気にしすぎだったんだよ。




 こんなのなんてことない!!くらいの気持ちでいなきゃいけなかったんだ。




 私が弱すぎたんだよ。





 また氷をもらって今度は頬を冷やす。




「見事に手形残ってんな。これは向こうも痛かったんじゃねぇの?」

「あはは」




 頬の跡は少しずつ消えて行った。




「今日はもう終わりだし…早めに帰ろうぜ」

「そだね」



「俺、3人分の鞄持ってくるね!!」



 塁君がにこっと笑って保健室から出て行った。