俺様男子

 心配そうに私の頬を触る塁君。



「なぁ、こんなことされて俺らが黙ってると思う?」

「こんなことって…」

「女って怖ぇな。なんだよ、平た打ちなんかしやがって。先輩もやってあげましょうか?」

「い、嫌…」



 優がクスッと笑う。



 うわ、悪魔みたい。




「次、莉子にこんなことしてみろ。本気で潰させてもらいますよ?」

「…ッ……」



 5人の先輩たちは悔しそうな顔をして保健室から急いで出て行った。





「莉子!!」



 優も私の傍に駆け寄ってきた。




「あーあ…赤くなってんぞ…」

「痛かったもん」



 ヘラっと笑う。




「あのなぁ…」



 呆れた顔で私に向かって話しだす優。





「ん?」


「俺ら全く知らなかったんだけど」

「何が?」

「先輩から平た打ちくらうほどのことがあったなんて」



 それはあなたたちのせいですよ。