俺が莉子ちゃんが好きだったのは事実だし、それを莉子ちゃんにハッキリ伝えてないのも事実。
だけど、たぶん莉子ちゃんは気付いていたんだろうな。
もうすぐ人妻になる人を奪う趣味はないけど、ひそかに狙っているかもしれない。
ばれたら兄貴に締められると思うけど。
「兄貴ちゃんと莉子ちゃんとの時間作ってる?」
「んー…たまにだよ」
「…結婚前の二人ってそんなのでいいの?」
「うん♪ 優は私たちのために頑張ってくれてるんだし…少しくらい離れても大丈夫」
莉子ちゃんはだいぶ強くなった。
兄貴は『逆に心配になる』って言ってたけど、頼もしいじゃないか。
とても強いママになるんだろうな。
俺が好きになった人だ、そうに違いない。
失恋はしたけれど、何一つ後悔はしていなかった。
莉子ちゃん…ありがとう。

