「優…? どうしたの…?」
笑顔で俺に近づいてくる莉子。
さっき俺に言った言葉は夢だと思っているみたいだ。
莉子の笑顔を見るたびに罪悪感がある。
あの笑顔をゆがませたのは俺なんだ。
…だけど、自分に素直にいくと……もう一度莉子の傍にいたいことのほうがずいぶん大きい。
俺はもう一度、莉子を求めてもいいのだろうか…。
「…莉子、俺のことどう思ってる?」
「へ!? ……好きって言ったら離れてくの…?」
「いや…別に」
曖昧な返事しか出来ない。
莉子がさっき寝ぼけて言ったことは本当であって欲しい。
「…じゃあ好きだよ。だけど、それ以上求めてないから安心して?」
苦笑いの莉子は無理をしているみたいだ。
俺は一度だけ我儘になってみようかと思う。

