夏弥に言われた通り、桜の木の下に莉子はいた。




 居眠りをしているようで…周りには数人男がいて莉子を見ている…






 変態。





 俺の顔を見た瞬間、走って行ったが。





 1人の男が走って行くときに莉子に当たったのか、少しずつ右に重心が傾いてきている。





 桜の幹に背中を預けている莉子の体は右に倒れそう。






 俺は急いで莉子の隣に行き、動きを止めた。





「…ん―――…」

「…」



 起きた…?




「…ゆ、優…? なんだ、夢かぁ…」

「……」

「夢なら何してもいいかなぁ…」




 独り言のように呟いた莉子は俺にキスをする。




「…リアル…」




 そりゃ夢じゃねぇし…。