俺様男子

 *優side*



 莉子が泣いてるのを俺は黙って見てるしかなかった。




 俺はどうしたらいいのか分からない。






 とりあえず何かをしないといけない気がして、ソファに置いてあった氷を取って莉子の頭に当てた。




 つめたかったのか、一瞬だけ肩を上げた莉子。





「冷たかったか?(笑)」

「へ、平気……」



 俺が笑顔でいなきゃいけない気がした。




 必死に笑おうとする俺は周りから見れば、見苦しい以外何でもない。





「ちょっと休んでく?」

「次、数学でしょ? 出ないと、わかんなくなっちゃう」

「俺が後で教えてやるからとりあえず1時間寝てろ」




 しまっていたカーテンを開けて保健室のベッドに誘導した。




「じゃあ俺は戻るから…」

「ん…」




 自分で氷を持って頭に当てている莉子をベッドに寝かせ、布団をかけた。



「ケータイは俺が持ってるから」

「え、なんで……?」

「これが気に入らないんだろ?」

「…」

「メールとか何も見ねぇし、何もしないから大丈夫」