「…いいけど」
俺がそう言うと莉子は俺の腕を引っ張って、近くの公園に入った。
昼間なのに、人が少ない。
雨が降ってきそうだからかな。
「…優のバカ!!」
「は…?」
…本音ってそれか!?
「私達、結構いいカップルだと思ってたんだよ!? なのに、急に草野さんとか言いだして…付き合っちゃって!! 本当はすごく優を殴りたかった!!」
相変わらず泣きそうな顔で俺の袖をつかみながら大きな声で言う。
俺は、何も言えない。
「優も傷ついたと思うけど、私も傷ついた!!……ホントに好きだったんだよ…?」
急に小さくなった声には切なさと莉子の鼻声が伝わってきた。
「草野さんとは別れたんでしょ…? 私…に申し訳ないとか…思ってるなら、もう1回戻りたい…。我儘かな…」
我儘なんかじゃねぇ……。
すっげぇ嬉しいのに…応えれないなんて。